手の外科

痛みとこわばりから解放され、指本来の動きを取り戻しましょう

手外科専門医と手のリハビリ（ハンドセラピィ）が治療をお手伝いします

ばね指とは

「ばね指（弾発指）」は、指を曲げ伸ばしする際に引っかかりや痛みが生じる病気です。
指の付け根にある「腱（けん）」が通るトンネルの部分（腱鞘）が炎症を起こし、腱がスムーズに動かなくなることで発症します。
炎症によって腱が腫れたり、トンネルが狭くなると、指を曲げたあとに「カクッ」「パチン」とばねのように動くのが特徴です。
症状が進むと、指が曲がったまま伸びにくくなることもあります。

主な症状

・指の付け根の痛みや腫れ、しこり
・指の曲げ伸ばしの引っかかり
・朝起きたときのこわばり
・指が曲がったまま動かしにくい

よくみられる部位・原因

・親指・中指・薬指に多く発生します。
・手をよく使う方や女性、糖尿病の方に起こりやすい傾向があります。

治療の選び方

保存療法

安静・アイシング・薬物療法・ステロイド注射・サポーターやテーピングなど

適応

初期症状で腱鞘の炎症が軽度の場合。

メリット

手術を避けられ、リスクが少ない。

デメリット

完全に回復しない場合がある。再発の可能性もある。

注意点

長期間の治療が必要になる場合があるため、根気強い対応が求められる。

手術療法

適応

保存療法で効果がない場合や進行した症状。

メリット

高い治療効果、長期的に症状が改善されやすい。

デメリット

手術後に短期間の安静が必要、手術跡が残る可能性がある。

注意点

手術の後、リハビリや手の使い方に注意が必要。

リハビリの流れ

症状や状態に応じて、対応方法が異なります。

急性期（炎症期・受傷直後・手術直後）

安静・固定（テーピングや装具）
痛みや腫れの管理（薬物療法）
他の関節（肩・肘・患指以外の手指など）の運動を維持

回復期（固定除去後・症状の軽快後・手術後）

手指の可動域訓練
筋力訓練（握力回復・つまみ動作など）

生活復帰期

仕事・家事など日常動作に必要な指の動きの訓練
再発防止のための使い方指導

よくある質問（Q&A）

Q１どんな人に多いですか？

家事や仕事で手をよく使う方、更年期以降の女性、糖尿病のある方に多く見られます。
特に親指・中指・薬指によく起こります。

Q２治療はどんなことをしますか？

症状の程度により、保存療法（安静・薬・注射・装具など）・手術療法（腱の通り道を広げる処置）を行います。当院では手外科専門医が正確に診断し、最適な治療法をご提案します。

Q３手術はどんな流れですか？

局所麻酔で10〜20分ほどの日帰り手術です。
手術後は必要に応じてハンドセラピィによるリハビリで、早期の回復と再発防止をサポートします。

Q４どのくらいで治りますか？

軽い場合は数週間〜数か月で改善することが多く、手術後も数週間で日常生活に戻れる方が多いです。

Q５受診や相談はどうすればいいですか？

当院は予約制です。初めての方もお気軽にお電話からご予約ください。
他院で治療中の方のセカンドオピニオンも対応しています。

しびれや痛みを和らげ、手の感覚と動きを取り戻しましょう。

手外科専門医と手のリハビリ（ハンドセラピィ）が治療をお手伝いします

手根管症候群とは

手根管症候群は、手首の中を通る「正中神経」が圧迫されて起こる病気です。
手首には「手根管」と呼ばれるトンネル状の空間があり、その中を神経や腱が通っています。
この部分で炎症や腫れが起こると、神経が圧迫され、しびれや痛み、筋力低下が生じます。

主な症状

・親指・人差し指・中指・薬指の一部がしびれる
・夜間や朝方にしびれ・痛みが強くなる
・手を振ると症状が一時的に軽くなる（手振りサイン）
・親指の付け根（母指球）がやせて、つまみ動作がしにくくなる
・小指にはしびれが出ないのが特徴です。

原因

・手の使いすぎ（パソコン・家事・スマホなど）
・更年期・妊娠・出産などのホルモン変化
・加齢や糖尿病、リウマチなどの持病
・手首の骨折や腫れなどによる圧迫

治療の選び方

手術療法

適応

保存療法で改善しない、または症状が重度な場合。

メリット

症状が増悪することを予防できる。症状が改善することもある。

デメリット

手術後のリハビリが必要になることもある。手術跡が残ることがある。

注意点

手術しても指の動きや感覚の回復には時間がかかる。

リハビリの流れ

急性期（炎症期・受傷直後・手術直後）

安静・固定（装具など）
痛みや腫れの管理（薬物療法・手の挙上）
他の関節（肩・肘・手指など）の運動を維持

回復期（固定除去後・症状の軽快後・手術後）

手指・手関節の可動域訓練
筋力訓練（握力回復・つまみ動作など）

生活復帰期

仕事・家事など日常動作に必要な指の動きの訓練
再発防止のための使い方指導
神経機能の回復に応じて段階的に手の使い方を指導

よくある質問（Q&A）

Q１どんな人に多いですか？

手をよく使う方（家事・育児・パソコン作業など）や、更年期・妊娠中の女性に多く見られます。
また、糖尿病やリウマチなどの持病がある方にも起こりやすい傾向があります。

Q２どんな検査をしますか？

当院では神経伝導速度検査を行い、神経のどこで圧迫されているかを詳しく調べます。
この検査により、最も適した治療法を正確に判断できます。

Q３治療法にはどんなものがありますか？

症状の程度により、次のような治療を行います。
保存療法：安静・サポーター・薬・注射など
手術療法：神経を圧迫している部分を広げる手術
手外科専門医が診断し、最適な治療を行います。

Q４手術はどんな内容ですか？

近年は関節鏡を用いた低侵襲の鏡視下手根管開放術が多く、手術翌日には退院です。
手首の一部を開いて神経の通り道を広げ、圧迫を解除します。
手術後は、必要に応じて専門の作業療法士によるリハビリで回復と再発防止をサポートします。

Q５しびれは治りますか？

基本的にはしびれの進行を防ぐ目的で行われますが、手術後にしびれや痛みが軽くなる方も見えます。
ただし、症状が長く続いていた場合は、神経の回復に時間がかかることもあります。

手や指のケガも、正確な診断と適切な治療でしっかり回復

手外科専門医と手のリハビリ（ハンドセラピィ）が治療をお手伝いします

手や指のケガ（骨折・靭帯損傷）について

手指のけがは、スポーツや転倒、物をつかんだ際の衝撃など、日常のさまざまな場面で起こります。
見た目は軽い「突き指」でも、骨折（こっせつ） や 靱帯損傷（じんたいそんしょう）、腱断裂（けんだんれつ） が隠れていることがあります。
主な症状は腫脹（しゅちょう：腫れ）、疼痛（とうつう：痛み）、可動域制限（かどういきせいげん：動かしにくさ）、変形などです。
放置すると関節の変形や可動域の制限が残ることもあります。
受傷後に痛みや腫れが強い場合、また数日経っても改善しない場合は、早めに整形外科や手外科専門医の受診をおすすめします。

主な症状

・指が腫れて痛む
・動かしにくい／曲げ伸ばせない
・押すと強い痛みがある
・指の形が変わっている
・青あざや内出血が出ている

主な原因

・突き指や転倒、ボールが当たったなどのケガ
・ドアに挟む・重い物を落とすなどの打撲
・スポーツ中の衝撃やひねり
・家事・仕事中の不意な衝突や捻挫

治療の選び方

リハビリの流れ

症状や状態に応じて、対応方法が異なります。

急性期（炎症期・受傷直後・手術直後）

安静・固定（テーピングや装具）
痛みや腫れの管理（アイシング・薬物療法・手の挙上）
他の関節（肩・肘・未損傷の指など）の運動を維持

回復期（固定除去後・症状の軽快後・手術後）

手指の可動域訓練
筋力訓練（握力回復・つまみ動作など）

生活復帰期

仕事・家事など日常動作に必要な指の動きの訓練
再発防止のための使い方指導

よくある質問（Q&A）

Q１突き指だと思っても病院に行ったほうがいいですか？

はい。見た目が軽くても、骨折や靭帯損傷、腱の断裂が隠れていることがあります。
腫れや痛みが強い、曲げ伸ばしがしにくい、指の形が変わって見える場合は、早めの受診をおすすめします。

Q２どんな症状があったら注意ですか？

以下のような症状がある場合は、骨や靭帯の損傷が疑われます。
・指が腫れて強く痛む
・曲げ伸ばしができない
・指の形が変わっている
・押すと強い痛みがある
・青あざや内出血が出ている
数日たっても痛みや腫れが引かない場合も要注意です。

Q３どんな治療をするのですか？

症状に応じて、保存療法または手術療法を行います。
保存療法：安静、固定、アイシング、テーピングなど
手術療法：骨のずれや靭帯の損傷が大きい場合に実施します。
当院では、手外科専門医が正確に診断し、最適な治療方法をご提案します。

Q４手術が必要になるのはどんなときですか？

骨がずれている場合や、靭帯が完全に切れている場合は、手術が必要になることがあります。
早期に安定した状態を作ることで、変形や後遺症を防ぎ、より良い回復が期待できます。

Q５治ったあと、リハビリは必要ですか？

はい。ケガが治っても、指が動かしにくくなったり、関節が固くなることがあります。
当院では、ハンドセラピィ専門の作業療法士が、可動域回復や再発防止のためのリハビリを行います。

Q６どのくらいで治りますか？

ケガの程度によって異なりますが、適切な処置をしたうえで一般的には骨折は１か月半～２か月程度、靭帯は２か月程度で日常生活に耐えられる程度に回復すると言われています。
医師とリハビリスタッフが連携し、無理のない回復をサポートします。

骨を治すだけでなく、“動きを取り戻す”治療

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橈骨遠位端骨折とは

橈骨遠位端骨折は、手首の骨（橈骨）の先端部分が折れる骨折です。
転倒して手をついたときに多く発生し、特に中高年の女性や骨粗しょう症のある方に多く見られます。
見た目は軽い捻挫のようでも、実際には骨折していることがあり、適切な治療を行わないと手首の変形や可動域の制限が残る場合があります。
早期の診断と治療が大切です。

主な症状

・手首の腫れや強い痛み
・手首を動かせない、物を持てない
・手首の変形（手の甲が盛り上がって見える）
・押すと強く痛む部位がある
・指先のしびれや感覚の鈍さ

治療の選び方

保存療法

整復（骨の再配置）・ギプス固定・痛み止めの薬など

適応

骨折が軽度で、整復可能な場合。

メリット

手術のリスクが避けられる。通院で済むことが多い。

デメリット

長期にわたりギプスや固定具で手を動かせない。

注意点

動きが悪い場合はリハビリも行う。

リハビリの流れ

症状や状態に応じて、対応方法が異なります。

急性期（炎症期・受傷直後・手術直後）

安静・固定（テーピングや装具）
痛みや腫れの管理（アイシング・薬物療法・手の挙上）
他の関節（肩・肘・手指など）の運動を維持

回復期（固定除去後・症状の軽快後・手術後）

手指・手関節の可動域訓練
筋力訓練（握力回復・つまみ動作など）

生活復帰期

仕事・家事など日常動作に必要な指の動きの訓練
再発防止のための使い方指導

よくある質問（Q&A）

Q１橈骨遠位端骨折とは？

手首の親指側の骨（橈骨の先端部分）が折れる骨折です。
転倒して手をついたときに起こることが多く、特に中高年の女性や骨粗しょう症のある方に多く見られます。

Q２保存療法と手術療法の違いは？

保存療法：骨が大きくずれていない場合に、ギプスや装具で固定して自然に骨がくっつくのを待つ方法です。

手術療法：骨が大きくずれている場合や関節面にずれがある場合に、プレートやピンで骨を固定して整復します。

Q３どんな治療をするのですか？

保存療法：約4～6週間の固定。その後リハビリで手首の動きを回復します。

手術療法：骨折の状態にもよりますが、手術後1～2か月で日常生活に復帰可能。完全な回復にはさらに時間がかかることがあります。