ひじの痛みについて
肘関節外科では、肘の痛みやケガ、関節の変形など、肘に関するさまざまな症状や疾患の診断・治療を行っています。
スポーツや日常生活でのけが、上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)、肘関節の骨折や脱臼など、幅広く対応しています。
保存療法だけでなく、注射治療や最新の再生医療的治療も導入し、早期の回復をサポートしています。
肘の違和感や痛みがある方は、我慢せず早めの受診をおすすめします。
各病態
投球肘
繰り返す肩・肘の痛みを改善し、再発を防ぐ
フォーム修正から復帰支援まで包括的にサポートします
「こんな症状はありませんか?」
- 投球時に肩または肘の痛みを感じる
- ボールのスピードが落ちた、コントロールが乱れる
- 肩や肘を動かすと「引っかかり」や「違和感」がある
- 練習後に肩・肘がうずくように痛む
- 肩甲骨周りや背中の張りが強い
いくつか当てはまる場合は、投球障害肩/肘の可能性がありますので早めの受診をおすすめします。
当院の強み・特徴
1. 投球フォームを含めた包括的評価
超音波・MRIに加え、フォーム解析で原因を多角的に分析します。
2. 理学療法士によるマンツーマンリハビリ
柔軟性・筋力・体幹バランスを整え、再発しにくい体づくりを行います。
3. 動画フィードバックによるフォーム修正
撮影した投球動作を用いて、改善点を視覚的に確認しながら修正します。
4. 選手個々に合わせた復帰支援プログラム
競技レベルやポジションに応じた段階的リハビリを提供します。
投球肘とは?
繰り返す投球動作が主因となり、小学校高学年ころによく発症します。
投球肘には、主に内側と外側の障害があり、内側の骨端核の分節化(内側投球肘)、外側の上腕骨小頭の軟骨や軟骨下骨が剥がれてくる離断性骨軟骨炎(外側投球肘)があります。
日本整形外科学会HP
症状
内側投球肘は、投球時や投球後に肘の内側の痛みが発生することが多いです。
小中学生で発症し一旦治癒しても、高校生以降に再発する場合は、内側側副靭帯損傷が疑われます。
一方、外側投球肘(小頭離断性骨軟骨炎)の初期は、痛みが発生しにくいと報告されています。しかし、病態が進行することで、関節が変形して肘の伸びや曲がりが悪くなったり、関節ネズミがはさまって、急に動かせなくなることもあります。
原因
投球肘の原因としては主に以下の3つが考えられます。
① 投げすぎ
② コンディショニング不良(身体の状態が悪い)
③ 投球フォーム自体に問題がある
検査
例えば、内側投球肘では、投球時の痛みや理学所見(徒手検査)で痛みが生じることに加え、レントゲン写真で以下のような所見が認められます。
適宜、MRI検査、超音波検査(エコー)などを実施します。
- 治療経過1
- 10歳男子/外野手/左投げ/野球歴3年
投げ込み後より疼痛出現(以前より1日200球の投げ込み) 
- 治療経過2
- 11歳男子硬式野球/内野手/野球歴8年
右上腕骨小頭離断性骨軟骨炎/広範囲透瞭型/保存療法 
治療法
- 保存療法
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内側投球肘の大部分は保存療法で対処できます。まず投球禁止期間を設けます。
その間に、コンディショニング不良を改善したり不良な投球フォームを修正します。外側投球肘の治療法としては、まず投球禁止期間を設け、画像検査の経過観察を行い、病変の改善がみられる場合には、内側投球肘と同様の保存療法で対応できますが、病変の改善がみられない場合や、すでに進行している場合には手術の適応となります。
投球禁止期間は、内側投球肘は1ヶ月前後と短期間で、外側投球肘は6~12ヶ月と長期間を要します。
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肩関節柔軟性の改善 -

肩関節柔軟性向上のストレッチング -

肩甲帯柔軟性向上の運動 -
- 投球フォーム修正の例
- 当院では実際の投球フォームをビデオ撮影して、選手と相談しながらフォーム修正に取り組んでいます。
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- 手術療法
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- 内側投球肘
- 高校生以降の内側側副靭帯損傷のうち、保存療法で復帰困難例に、内側側副靭帯再建術を行います。
腱移植による靭帯再建術を行い靭帯を補強する方法です。
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- 外側投球肘
- 小頭離断性骨軟骨炎の進行例に行います。病変の状態により以下の3つの方法から選択します。
- ドリリング…障害部位に直径1mm程度の穴をいくつか開け、出血を促し治癒を促進する方法です。
- 骨釘固定…骨釘で離断骨軟骨を止める方法です。
- 自家骨軟骨移植…損傷した骨軟骨部分を修復するために、膝や肋骨の骨軟骨を移植する方法です。
日本整形外科学会HP
投球肘に関するQ&A(保存療法)
- Q1保存療法の場合、リハビリはどのようなことを行いますか?
- 投球動作の休止と、肘への負担を減らす。投球動作指導・姿勢指導や、コンディショニング改善のトレーニングを行います。
- Q2どのくらいから投球再開できますか?
- 病態により異なり、内側投球肘は1ヶ月前後と短期間で、外側投球肘は6~12ヶ月と長期間を要します。
投球肘に関するQ&A(手術療法)
- Q3手術療法の場合、入院期間はどれくらいですか?
- 約3~7日程度となります。
- Q4手術療法の場合、投球再開、試合復帰はどれくらいですか?
- 病態や術式により異なり、内側側副靭帯再建術は投球再開が5ヶ月、試合復帰が野手で8ヶ月、投手で1年です。
小頭離断性骨軟骨炎の場合、投球再開はドリリングで術後3ヶ月、骨釘固定や骨軟骨移植では術後5~6ヶ月頃となります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)・内側上顆炎(ゴルフ肘)
痛みを和らげ、“つかむ・持つ・動かす”手の力を取り戻しましょう。
専門医とリハビリが治療をお手伝いします
「こんな症状はありませんか?」
- ペットボトルのフタを開けると肘の外側(または内側)が痛い
- タオルをしぼる動作で肘がズキッとする
- ラケットスポーツやゴルフ中に肘に痛みを感じる
- 重たい物を持ち上げると肘が痛む
- 起きたとき、肘がこわばって動かしにくい
いくつか当てはまる場合は、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)またはゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の可能性がありますので受診をおすすめします。
当院の強み・特徴
1. 経験豊富な医師
肘の問題に特化した専門医が診察・治療を担当します。
最新の医学知識と技術で、肘の疾患を正確に診断し、手術を含めた最適な治療を行います。
2. 最新の治療法
近年、慢性的な肘の痛みに対して、痛みを軽減し組織の修復を促す新しい治療法が行われています。
・体外衝撃波治療 :衝撃波で血流を改善し、炎症を抑えながら組織の回復を促します。
・PRP療法・凍結乾燥血漿療法 :自分の血液を使い、自然治癒力を高めて回復を助けます
従来の治療で改善が難しい場合にも有効です。
3. 専門的なリハビリで早期回復
患者様一人ひとりに合わせた専門的なリハビリプログラムで、早期回復と再発防止をサポートします。
4. 患者様に寄り添った治療
当院では、患者様の症状と生活背景を丁寧に理解し、医師とリハビリスタッフが連携して治療を実施。「生活で使える手」の回復を目指します。
テニス肘・ゴルフ肘とは
・テニス肘:肘の外側の痛み(上腕骨外側上顆炎)
・ゴルフ肘:肘の内側の痛み(上腕骨内側上顆炎)
上腕骨外側上顆炎と内側上顆炎は、肘の使いすぎ(オーバーユース)によって起こる炎症性疾患です。
外側上顆炎は一般に「テニス肘」、内側上顆炎は「ゴルフ肘」と呼ばれ、肘の外側または内側の腱(けん)に負担がかかることで痛みが生じます。
スポーツだけでなく、家事や仕事での手の使いすぎでも発症します。
主な症状
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
・肘の外側(親指側)の痛み
・物を持ち上げる、フライパンを持つ、ドアノブを回すなどで痛む
・手首を反らす動作で痛みが強くなる
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
・肘の内側(小指側)の痛み
・物を握る、タオルを絞る、投げる動作で痛む
・手首を曲げる動作で痛みが出る
主な原因
・手首や肘を繰り返し使う動作(スポーツ・家事・仕事)
・筋肉や腱への繰り返しの負担や微細な損傷
・長時間のパソコン作業や重い物の持ち運び
・加齢による腱の変性(筋腱の柔軟性低下)
治療の選び方
- 保存療法
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- 1. 安静・湿布・外用薬
- 痛みの強い時期は無理な動きを避け、薬で炎症を抑えます。
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- 2. ストレッチ・リハビリ
- 前腕や手首のストレッチを中心に、負担を軽減します。
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- 3. エルボーバンドなどの装具
- 筋肉の牽引力を分散させ、痛みを和らげます。
テニスエルボーサポーター
リストホルダー -
- 4. 体外衝撃波治療
- 衝撃波を患部に照射し、痛みの軽減・腱の修復を促す先進治療です。
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集束型体外衝撃波
拡散型圧力波
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- 5. PRP療法・凍結乾燥血漿療
- 自己血液から抽出した成分を注射し、自然治癒力を高める治療です。
外側上顆炎に対するPRPまたは凍結乾燥血漿由来因子注射 -
- 6. ステロイド注射
- 強い痛みには局所麻酔薬と併用し、炎症を抑えます。
- 手術療法
- 関節鏡視下手術:傷んだ腱の部分をクリーニング
腱修復術:傷んだ腱を骨に縫いつけ、構造を安定させる
傷は小さく、短期入院での対応が可能な場合もあります
肘関節鏡視下手術
リハビリの流れ
症状や状態に応じて、対応方法が異なります。
- 急性期(炎症期・受傷直後・手術直後)
- 安静・固定(テーピングや装具)
痛みや腫れの管理(アイシング・薬物療法・手の挙上)
他の関節(肩・手関節・手指など)の運動を維持
- 回復期(固定除去後・症状の軽快後・手術後)
- 肘関節の可動域訓練
筋力訓練(握力回復・肘関節)
- 生活復帰期
- 仕事・家事など日常動作に必要な指の動きの訓練
再発防止のための使い方指導
専門知識を持つリハビリスタッフが、スポーツ復帰や仕事復帰を目指したプログラムを個別にご提案します。
よくある質問(Q&A)
- Q1スポーツをしていなくても発症しますか?
- はい。主婦やデスクワーク中心の方、重い物を扱う作業の方にもよく見られます。
特に親指・中指・薬指によく起こります。
- Q2どのくらいで良くなりますか?
- 保存療法で数週間〜数ヶ月以内に改善する方が多いですが、症状の強さや生活スタイルにより個人差があります。
- Q3手術が必要になるのはどんな時ですか?
- 保存療法を行っても痛みが改善しない場合に検討します。
- Q4注射や衝撃波治療は痛いですか?
- 注射はやや痛みを伴うことがありますが、短時間で済みます。衝撃波治療はご本人の耐えられる強さで行います。
変形性肘関節症
曲げ伸ばしの痛みをやわらげ、自然に動く肘を取り戻しましょう。
専門医とリハビリが治療をお手伝いします
「こんな症状はありませんか?」
- 肘を動かすと痛い
- 肘がまっすぐ伸びない・しっかり曲がらない
- 肘が「ゴリゴリ」「引っかかる」感じがある
- 肘が突然動かなくなり、激しく痛むことがある(ロッキング)
- 小指や薬指がしびれる
いくつか当てはまる場合は、変形性肘関節症の可能性がありますので受診をおすすめします。
当院の強み・特徴
1. 経験豊富な医師
肘の問題に特化した専門医が診察・治療を担当します。
最新の医学知識と技術で、肘の疾患を正確に診断し、手術を含めた最適な治療を行います。
2. 関節鏡手術にも対応
症状が進行している場合は、関節鏡(内視鏡)を用いた低侵襲手術で骨棘や遊離体を取り除き、肘の動きを改善します。
術後の痛みや回復期間を最小限に抑えることを目指します。
3. 専門的なリハビリで早期回復
患者様一人ひとりに合わせた専門的なリハビリプログラムで、早期回復と再発防止をサポートします。
4. 患者様に寄り添った治療
当院では、患者様の症状と生活背景を丁寧に理解し、医師とリハビリスタッフが連携して治療を実施。「生活で使える手」の回復を目指します。
変形性肘関節症とは?
変形性肘関節症は、肘の関節をおおう軟骨がすり減ることで、痛みや動かしにくさが出る病気です。
加齢やスポーツ・お仕事での使いすぎ、過去のけがなどが原因となります。
初期には、肘を動かしたときの違和感や軽い痛みが中心ですが、進行すると可動域が狭くなり、強い痛みを感じることもあります。
治療は、症状に応じて薬や注射、リハビリなどの保存療法を行い、必要に応じて手術を検討します。
早めのご相談により、痛みの軽減や進行の予防が期待できます。
肘の痛みや動かしづらさを感じたら、お気軽にご相談ください。
主な症状
・肘の痛み(動かしたとき、または安静時)
・肘の曲げ伸ばしがしづらい
・関節を動かすと“ひっかかる”感じがする
・腫れや熱感を伴うことがある
・肘を完全に伸ばせない、曲げられない
主な原因
・加齢による関節の変化
・スポーツや仕事などによる肘の使いすぎ
・過去の骨折や脱臼などのけが
・関節リウマチなどの基礎疾患
治療法
- 治療の選び方
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症状の進行を抑え、日常生活を快適にすることを目指します。
安静・生活指導:肘への負担を減らす動作や姿勢を指導します。
薬物療法:消炎鎮痛剤や関節内注射で炎症と痛みを抑えます。
リハビリテーション(物理療法なども含む):血流を改善し、筋肉のこわばりを和らげます。ストレッチや筋力トレーニングで肘の可動域を保ちます。
- 手術療法
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肘の動きを取り戻し、痛みを軽減することを目的とします。
主な手術内容
骨棘(こっきょく)・滑膜の切除:動きを妨げる骨の突起や炎症を取り除きます。
遊離体(関節内の“ネズミ”)摘出:引っかかりやロッキングの原因を除去します。
関節鏡手術:小さな切開で行う低侵襲手術。術後の回復が早いのが特徴です。手術後はリハビリを行い、肘の可動域や機能の回復を目指します。
リハビリの流れ
症状や状態に応じて、対応方法が異なります。
- 急性期(炎症期・手術直後)
- 肘を安静に保ち、負担を減らします。
温熱療法や電気治療で痛みを和らげます。
無理のない範囲で軽いストレッチを行います。
- 回復期(症状が落ち着いている時期・手術後)
- 肘関節の可動域訓練
筋力訓練(握力回復・肘関節)
- 生活復帰期
- 物を持つ、投げるなどの動作訓練
正しいフォームや姿勢を指導
再発を防ぐトレーニングを実施
よくある質問(Q&A)
- Q1変形性肘関節症は自然に治りますか?
- 残念ながら自然に治ることはありませんが、早期に適切な治療を行うことで進行を遅らせたり、痛みを軽くすることはできます。
- Q2どんな人がなりやすいですか?
- 野球やテニスなど肘をよく使うスポーツをしている方、重い物を扱う仕事をしている方、または過去に肘をケガしたことがある方に多くみられます。
- Q3手術は必ず必要ですか?
- いいえ。痛みや動きの制限が強い場合のみ、手術を検討します。
- Q4手術をするとどのくらいで回復しますか?
- 手術の内容や個人差によりますが、数週間〜数か月で日常生活に復帰される方が多いです。
手術後はリハビリで動きをしっかり回復させていきます。
- Q5再発することはありますか?
- 過度な使いすぎや、リハビリを中断すると再発の可能性があります。
当院では再発予防のストレッチ・筋力指導も行っています。
肘部管症候群
肘部管症候群とは?
変形性肘関節症が進むと肘内側の尺骨神経が圧迫されて麻痺することがあり、肘部管症候群といいます。加齢に伴う肘の変形の他に、肘部管にある靭帯やガングリオンと呼ばれるゼリー状の物質による圧迫などで肘部管症候群が生じます。
初期には、小指や薬指、小指側の手の側面にピリピリしたしびれを感じ、肘を曲げていると症状が増してくるのが特徴です。
症状が進むと小指の付け根や指の間の筋肉がやせ細り手指の動きが不器用になります。
肘部管症候群では、下図の★部分の肘の内側を軽くたたくと小指と環指の一部にしびれ感がはしります。
尺骨神経全体にわたり広範囲の症状が生じたり、安静時には知覚障害がない場合もあります。

治療法
- 保存療法
- 薬物の投与・日常生活でなるべく肘を曲げないようにするなど肘に負担のかからない安静指導などの保存療法を行います。
- 手術療法
- 保存療法が無効の場合や麻痺が進行しているときには、尺骨神経を圧迫している靱帯の切離などを行います。
神経の緊張が強い場合には、骨をけずったり、神経を前方に移動する手術を行います。
肘の変形がある場合には(外反変形など)、変形を手術的に治す場合もあります。
日本整形外科学会HP
変形性肘関節症に関するQ&A
- Q1手術の場合の入院期間はどれくらいですか?
- 約4~5日間になります。
- Q2手術の場合のスポーツや肉体労働への復帰期間はどれくらいですか?
- 約2~3ヶ月位です。


